えっ、CentOS8にしたばかりなのに、CnetOS8終了?

突然のCentOS 8の開発中止発表

さっき、会社の若い奴から聞いたんだけど、CentOS8が終了って、本当ですか?
先週、サーバーをCentOS7からリプレイスしたばかりなのに。。。

そうなんですよ。僕も驚いています。
12月8日(米国時間)に突然発表されて。
しかも、2029年までのサポート予定が、急遽来年(2021年)年末に
開発、サポートともに打ち切りになるらしいです。

うちのサーバー、HTTP2使いたいっていうシステム担当の要望で、
先週稼働したばかりなのに。。。
あっ、ちょっと待って。システム担当からメールが。

CentOS Stream 8に乗り換えればいい?

なになに。CentOS Stream 8というのが後継で、
それに変えれば大丈夫と開発会社から連絡が。。。
SHIGEちゃんさん、本当ですか?

うーん。
ある面ではこれまでのCentOS8の後継として考えて間違えないけど、
気をつけなければいけない点があります。

お、教えてください。
変えたのはうちの会員さま用の予約サイトの運用サーバーなんです!

まず、Streamとあるように、従来のCentOSとは異なり、
有償版のRed Hat Enterpriseをパッケージとして再構築したものではありません。
逐次、更新を繰り返しながらリリースを続けるローリングリリースに対応したものであり、
サーバーのような保守的な更新が必要な用途にはリスクがあります。

え、止まるとパニックになります!!

でも、もう一つの点の方が影響が大きいです。
2019年にリリースされたCentOS Streamは、
有償版のRed Hat Enterprise(以下RHEL)の開発ブランチとして提供されています。

どういうことですか?

RHELのために先進的な機能を開発・テストするためのLinux OSとして、
最も有名なのが、きたピー課長もご存じのFedora Projectです。
以前課長がご相談に来た通り、Fedoraは、RHELやCentOSよりも新しい機能をスグに利用できます。
しかし、それ故にバグの可能性があり、きたピー課長の会社のように実サービス向けというよりは、
開発者向けのディストリビューションです。

その節は、助かりました。

CentOS Streamは、そのFedoraと有償版のRHELの中間に位置するリリースで、
RHELよりも先にリリースされ、
RHELの次期版に盛り込まれる機能に対して開発やテストをしてもらう、
そういった目的を持っています。

ってことは、うちみたいな会社のサーバーには向かないってことですか。
言い方悪いけど、有償使う大手の人柱ってことですか?

そこまでではないですが(笑)
でも、名だたる大手企業でも、ある意味程よく「枯れた」OSで、
安定性も高く、コストも安いCentOSをあえて使っていた企業も多いんです。

うちみたいな、中小企業だけかと思ってました。

だから、大小問わず、結構重要なニュースだとは思います。

CentOS 7ならば、迷わず待とう!

ど、どうしたらいいでしょう。

きたピーさんのところ、CentOS7のサーバーはまだあるんですか?

他のサービスはまだですが、実稼働した時に稟議書部長に回して。。。

それは、いったんペンディングにしたほうがいいでしょう。
CentOS7は8と違い、当初予定の2024年6月までサポートが続く予定です。

(ゴソゴソ)あっ、もしもしあの稟議書止めて・・・・・うんぬん・・・よろしく。
えーと、ソフトウェアアップデートもされますか?

従来通りされるはずです。
まだ時間がありますので、動向を見定めてから考えるべきでしょう。

CentOS 8をすでに使っている会社は

CentOS8にしちゃったサーバーはどうしましょう?

いくつか選択肢があります。
イメージのバックアップはありますか?

一応ありますが、実稼働が10日以上あるので困る部分も。
うちのメンバーでデータとシステムうまく合わせられるか心配です。

その件は、あとでじっくり伺います。
次は思い切ってCentOS Stream 8にするという選択肢です。
今のところ、きたピーさんのところは社内の専門の技術者がいないので、難しいかもしれません。

そうですね。Fedoraよりはテスト済みとはいえ、もしも何かあったら怖いです。

次はOracleのRHELの互換OS、Oracle Linuxも選択肢の一つです。
今のところ無償で利用できます。
買収したSunのSolarisが有名ですが、Oracle Linuxは一応RHELの100%互換をうたっています。

今のところ?

大丈夫だと思うのですが、OracleもJavaやMYSQLの件もあるので、
将来、ライセンスや提供方式が変わるかもしれません。
Oracleのハードなどに適したものとRHELと同じものと2種類のカーネルが配布されています。

なんか心配だなあ。。。

あとは、少し先ですが、CentOSプロジェクトを立ち上げたメンバーの一人、Gregory Kurtzer氏が
Rocky LinuxというこれまでのCentOSを引き継ぐオープンプロジェクトを始めたので、これも注目です。

これはいいかも。
でも、来年末の期限まで間に合うんでしょうか?

まだ、GitHubリポジトリが作られただけで、
リリース予定も発表されていませんから、ちょっと予想がつきません。
そういった意味でもうひとつ注目なのは、CloudLinuxというところから、
同じようなコンセプトで、Lenixというのも発表されていますが、
こちらは2021年第1四半期にリリースが予定だそうです。

焦りは禁物という感じでしょうか。

そうですね。でも代替については今から検討し始めて遅くはないです。
もう一つ、RHELから離れて、
Linuxのもう一つのメジャーOS、Ubuntuにするという選択肢もありますが、
違いはかなりあるので、委託先のスキルや直接コマンドはいじらないにしても、
若干社内スタッフにも影響はあるかもしれません。

うちのスタッフ、やっとLinuxとWindows PCの違いを理解してきたばかりだからなあ。

WEB事業部もITスキルのあるメンバーが増えてきたから、
逆に丸投げ時代よりは影響が大きいかもしれませんね。

そうなんです。
セキュリティ―とか自分たちでも少しは管理できるようにと、
社長からお達しがありまして。

今回、以前からの委託先に頼んだんですが、
途中からですが、SHIGEちゃんさんのところで、
代替案の検討とその先、頼めますか?

もちろんです!

さすが、トラブルバスター!
よろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。